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老いの学問
 いま、『宮沢賢治イーハトヴ学事典』編者の一人として仕上げ作業に忙しい。この事典で文学と科学は反りが悪いという世評にぜひ反証したいものだ。身近にもこの異種のおしどり夫妻がいる。学生時代からの恩師・木村雄吉先生を囲む求道学舎の白雄会同人で先輩の、永井克孝氏と和子夫人だ。淑やかな夫人は高名な平安文学研究者で学習院女子大学学長。学習院女子校時代は演劇でも活躍した。学問一筋の先輩は東大医学部教授・都臨床医科学研所長・三菱化学生命科学研所長を歴任、いま理研研究顧問等を務める生化学者。糖鎖研究のトップリーダーだ。

 学習院女子大には、私も十数年講義に出向いたが、古桜の美しいキャンパスに外国人留学生100人を含む1700人が集う。渉外・内政に敏腕をふるう和子学長のもとで、新興国への海外研修、ワシントン・ゼミ、オノ・ヨーコ氏ら文化人の招待講演等と、国際交流に強く逞しい学生もふえた。激務の夫人学長を労って、永井先輩も毎日皿を洗う。

 「老いの学問」がお二人に共通する。『源氏物語』が老女房の語りという形を持つ意味を探るのが研究の中心だし、遺伝子一点張りに異を唱えた、ガン化・免疫・脳機能に関わる糖鎖研究も老化解明の鍵になる。
『日本経済新聞』2010年9月24日「交遊抄」
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