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金子務・小町屋朝生・宮崎興二・前田富士男編(工作舎)
形の文化会は1992年2月に設立総会を大阪府立大学で開いています
来年の
2012年が本会設立20周年にあたります。そのような記念すべき年を前にして、形の文
化会がここに、『にほんのかたちをよむ事典』を出版できますことは、本会会員一同ならび
に本事典刊行関係者とともに慶賀すべきことであり、この異色な日本文化のかたちを読む
事典が世に広く流布されることを願うものであります。
かたちは、ある意味では直接的に目に飛び込んでくるものです。かたちがモノの本質と結
びつき、そのかたちを介してわれわれも第一義的にモノに触れるのですから。にもかかわらず、
日本の文化のかたちをどう読み解くかは、つねに大問題であります。
考えてみれば、ヒトが道具と言葉をもって環境にはたらきかけて以来、かたちは普遍的に
人類の営為にかかわるものであります。そうした道具や言葉も、地域と時代によって、
固有な形態と機能(あわせて、かたち)を発達させ、その上にさまざまな文化や独特な思想を
生んできました。こういうかたちの意義や意味を、この20年間、形の文化会は、歴史的・
通文化的に、かつ地域的・比較文化的に、問い直す作業を進めてきたと思います。そ
の成果の一端は、研究集会や学会誌に発表されているとおりです。
しかし、改めて、かたちとは、とか、日本の文化のかたちとは、と問い返
されたら、多くの場合、にわかに返答をすることは困難だと思
います。本書はあえてそのような問いを重ねて、答えを出
す手がかりを提供しようというものです。そのための切
り口を本書では多面的にかつ複層的に提示しており
ます。
本事典のかたちに作り上げていくにあたって、
われわれ編集委員(小町屋朝生・宮崎興二・前
田富士男の諸氏と私の4人)の念頭には、「かたち
の四面体」、すなわち、思想・形象・認知・数
理の観点がすでにありました。工作舎から出し始め
た学会誌『形の文化誌』の常設エッセイ4本で立てた、
かたちを支え合う4面体、になぞらえたものです。文化の特質を
かたちの観点から解明する事典を考えるさい、これを手がかりに、まず概念編・図像編・
機能編という3視点から、項目選定に着手しました。
また目指すモノは事典であって字典で
はなく、また細かな関連用語やそのつながりを単に解説するのを意図したものではなく、あ
くまでもかたちを考える上で、かたちの諸相のネットワーク、またそのキーワードになるべきも
のを拾い上げたつもりです。
出発点においては、トータルな形の文化事典を目指していましたが、長い編集過程で、類
書にない独自性を強く出すために、編集部とも相談の上、本事典では日本文化に絞り込
むという重大な変更がありました。
そのため、多くの執筆者に、改めて項目の補筆や改稿、
ときには削除をお願いしましたが、これが大幅な編集作業の遅延の一因にもなりました。し
かし、刊行元である工作舎の十川治江社長と米澤敬編集長らの素晴らしい編集感覚で、
さきの3分類項目は、「かたちのことば」「かたちのかたち」「ひととかたち」という秀抜な
大項目に整序され、魅力的なデザイン感覚を盛り込んだ小項目が並んでおります。
とくに3
番目の大項目は、ヒトの動作、行為、制作などと関連を持たせるため、一連の動詞世界
から連想される項目を選定したもので、本書の特質の1つになっております。
編集過程にはさまざまな困難がありました。編集方針
の絞り込みや出版不況の大波にも揺られながら、企画
から刊行まで優に10年以上かかっていると思いますが、工
作舎のつねに変わらぬご尽力をいただいて、こうしてできあがった
事典は、形の文化会が自信を持って世に送り出せるものになりました。
本事典の項目によっては、本会会員に適任者がいない場合には、外部に依頼したものも
多くあります。執筆者は会員・会員外も合わせて66人を数えますが、その中には、不幸に
して物故された方が数人(創立会長の森毅、幹事小山清男、同竹沢攻一、会員高橋理喜男の各氏ら)
おられます。事典ができあがるには、残念ながら長い年月がかかった証左であり、ここに心
よりお悔やみの言葉とともにご報告申し上げる次第です。
思えば、形の文化会は、設立総会の1ヶ月後の1992年3月には第1回フォーラム(研究集会・
大阪)を開き、その後、直近の2011年9月に開かれたフォーラム(京都)で第54回を数え
ます。また、例年5月前後には年次総会・大会が、東京と関西で交互に開かれてきました。
また学会活動としまして、研究成果を社会に還元することにも尽力してきました。
1993年以来、毎年テーマを定め、記念講演や会員投稿などと併せて、装丁にも凝った
年刊機関誌『形の文化誌』を工作舎から刊行してきました。1993年から2004年まで、
1号「アジアの形を読む」、2号「脳がつくる形」、3号「生命の形・身体の形」、4号「シ
ンボルの物語」、5号「形を遊ぶ」、6号「花と華」、7号「世紀末と末法」、8号「女
の形・男の形」、9号「芸道の形」、10号「笑う形」の全10種です。
それは諸般の事
情で、10号をもって終わりとなりましたが、新たに、本会が日本学術会議に学会登録(2002
年)したのを契機に、2005年から、本会の若手研究者を中心に新編集委員会を立ち上
げ、三井直樹・粟野由美といった正・副両委員長の下に、本会研究機関誌『形の文
化研究』を毎年刊行しており、2011年までにすでに6号を積み重ねております。その間に、
姉妹団体の「形の科学会」と共催して、国際研究集会を共催もしてきました。
このような経緯をもって活動してきた形の文化会が、冒頭にも書きましたよう
に、創立20周年を迎えようとしているときに、本事典が刊行される意義
を改めて会員諸氏とともにかみしめ、関係者のご努力に感謝するとと
もに、今後の会の発展にも大いに資することになれば幸いです。
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2011年12月20日刊
「にほんのかたちをよむ事典」三部構成の項目総数200以上、全532頁 |
3990円
(税込み)
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| 050 |
共著
武田龍精編『核の時代における宗教と平和ー科学技術のゆくすえ』(法蔵館)
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2010年3月刊、全412頁
金子論文「仏教と自然科学の親近性ー鈴木大拙とアインシュタインの思想」(pp.327-350)
所収 |
3,780円
(税込み)
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| 049 |
著書
天沢退二郎・金子務・鈴木貞美共編『宮沢賢治イーハトヴ事典』(弘文堂)
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2010年12月刊、全687頁 |
14,000円
(税別)
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| 048 |
共著、『日本の科学者101人』(新書館)
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2010/10、(金子担当「寺田寅彦・木村栄」)
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2,100円
(税込)
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| 047 |
共著『科学時代における人間と宗教−武田龍精博士退職記念論集』(法蔵館)
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2010/04/30、(金子務「暗黙知と無意識の大海ー科学と宗教の交錯から」83-98頁所収)
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9,450円
(税込)
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| 046 |
共著、社会技術研究開発センター編『科学技術と知の精神文化 -新しい科学技術文明の構築に向けて』、共著者・阿部博之・村上陽一郎・吉田忠氏など12名(丸善プラネット)
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2009/03/30、金子担当「日本の科学技術文化の特色」36-45頁、および「討論」177-222頁。
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1,575円
(税込)
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| 045 |
新訂
アインシュタインの天使―はじめに落下ありき/金子 務(著、荒俣 宏著(株式会社サンガ)
帯より:アインシュタインの思考実験は天使の視点!
綱が切れたエレベーターは自由落下する。かりにこのエレベーターを、その中に入っている人ごと宇宙空間に持っていく。無重力の世界で天使が地球上の重力加速度の速さで引っ張ると、手に持っていたリンゴを落とせば、地上で落とすのと同じに落ちる。別の天使が外から見ているとすると、天使は慣性質量を測定していると考えられる。中の人にとっては重力質量、外の天使には慣性質量。同じものを測ってなにが違うか。視点が違うだけなのだ。 |
2009/02、277p、978-4-904507-17-9
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1,680円
(税込)
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| 044 |
街角の科学誌/金子務著(中公新書ラクレ)
「はじめに」より: この本は気楽に読んでもらうことを目論んだ、旅行記もかねたエッセイ集である。毎週ある新聞の日曜版に、一年書き続けたものである。
長丁場で、しかも締切はきちん来るのだから、苦し紛れに書いたものもあるし、楽しんで綴ったものもある。
深刻な話は載せなかったつもりだが、基本は、面白い、とどこかで思ったこと、見たことを書いた。平田定則さんのコラージュによる挿絵が、一段と書く私の興趣をも誘ってくれた。本にするにあたり、四本の新項目を挿絵とともに補い、表現と説明の至らざる点を大いに書き改めたため、分量もふくらんでいる。
私のような年になっても、毎年のように好きな外国や国内を歩いていて、ホホー、知らなかった、ということが多い。知らない土地、知っている土地でも、小さな発見や大きな知見に気づかされることが多い。私は、まったく新たなところに行くことも好きだが、再度同じところに行くのも大好きである。帰ってきて、いろいろ資料を反芻していると、ここを確かめておきたい、ここを見ておきたい、ということが必ずあるからである。
題名のことだが、原題は「科学史の街角」であったが、本書では、「街角の科学史」になっている。主語と形容句が入れ替わったのだから、たいへん、とは思わない。
「街角」に力点があるからである。街角は、気取らない、堅苦しくない、要するに普段着感覚、という意味である。さらに驚きの出会いも、期待できよう。そういう気軽さで、日本国内や世界の各地で出会った気になる話、面白い話、耳よりの話、ためになる話、偏見だらけの話、暇つぶしの話、くだらない話などを、十分調べた上で、書き留めたものである。科学史は私の専門領域になっているが、ホントは科学史などといわなくてもかまわない。そういうレッテルはどうでもよい話である。といって雑学をひけらかすつもりもない。
まあ、しかしそうはいっても、人間の習い性というものがある。私は、芸術がホントは大好きで、科学よりも好きかもしれない。
そんな私が科学史という学問を目指そうと思ったのは、大学二年のときで、そうしないと、たぶん自分は、科学の世界と双曲線をなして遠ざかっていってしまうだろう、と思ったのである。好きなことは放っておいてもやるが、それほどでもないが重要な分野となったら、義務感をもってしてもやらねばならない、そう思い定めたものである。それ以来、新聞社や出版社に入っても、大学に移っても、ずいぶんいろいろなことはやったが、結局、腰を据えて科学を軸に、その歴史、文化、社会、思想、哲学の諸問題に取り組んできた。科学者でないから科学研究はしないが、科学についての勉強、メタ・サイエンス、である。おいそれと、片手間でやれる問題ではない。
でも、その合間に、いろいろ呟きたい問題、気になる話題が溜まってきた。科学の分野を掠めるかもしれないが、ときにははみ出すいろいろな知見である。これを自由に吐き出す機会が、新聞への無作為な定期寄稿であったのだから、有り難い話である。それでも、並べられた目次を見ると、自分のこだわりが、はっきり自分にも見えてくるのだから愉快である。ギリシアにこだわり、中国にこだわり、アートにこだわり、人間にこだわり、面白さにこだわる。
そんなわけで、本書に収めた話は、どこからでも、気軽に読んでもらえれば有り難い。 |
2007/08、272p、978-4-12-150253
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798円
(税込)
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図説アインシュタイン/金子務監修(河出書房新社刊)
監修者からの一言:いまアインシュタインLOVE展を全国展開中ですが、アインシュタインが日本に来た当時の新出資料も発掘され、写真その他多数載せました。私の前著『アインシュタイン・ショック』(全2巻、岩波現代文庫)を補う「本で見るアインシュタイン展」になっています。
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2007/01、405p、4-309-76089-9
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1,890円
(税込)
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| 042 |
追想鈴木大拙/金子務編(松ヶ岡文庫刊)
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2006/06、405p、ISBN - |
2,000円
(税込)
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| 041 |
中尾佐助著作集第6巻〜照葉樹林文化論/中尾佐助著金子務[ほか]編(北海道大学図書刊行会)
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2006/02、854,22p ; 22cm
ISBN 4-8329-2901-1 |
14,000円
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